「北海道の鉄道の再生・存続を求める道民署名」にご協力をお願い致します。

JR北海道研究会
北海道の鉄道の再生と地域の発展をめざす全道連絡会
2018年3月

2016年11月18日、JR北海道は道内鉄路の半分近くに当たる10路線13区間を「JR単独では維持困難」とし、沿線自治体に事実上不可能な「下」(軌道・橋梁・トンネン等)部分に負担を求める「上下分離」や「バス転換」などについて協議したいと発表しました。そして、負担できない場合には、「廃線」あるいはバス転換へと誘導しようとしています。

そもそも、JR北海道の経営危機は、1987年4月に国鉄が分割・民営化された時から危惧されていたもので、毎年約500億円近くの赤字が予想されていました。この赤字は経営安定基金6,822億円を積み立てて、その運用利回り7.3%(運用益498億円)で解消しようとしました。当初の期間は想定内の利率と運用益で推移しましたが、バブル経済崩壊後の利回りは半分近くに下がり、運用益も半減しました。この赤字が積み重なって経営危機を招来したのです。

このような状況はJR四国も同様で、政府による国鉄分割・民営化に問題があったと言わざるをえません。元来、全国一律で安定的かつ安全な交通の確保は政府が公的インフラ施設として整備しなければなりません。しかし、JR北海道(JR北海道の所有者は政府であるが)は「完全民営化」を目指す企業体として、きわめて不安的な「金融市場」にゆだね、鉄道がもつ社会的・地域的な性格をないがしろにして、存廃の問題が主に企業の経営問題を基準にして判断されようとしています。

同じ交通施設でも道路や港湾、空港は公共事業として公的資金で建設・維持されています。その施設を自家用車やバス、トラック、船舶、航空機が利用しておりますが、建設費は負担していません。これにたいして鉄道は施設と車輌一体としてまるごと負担しています。特にJR北海道の場合は、長大路線と積雪寒冷という本州にはない悪条件を抱えての経営で、赤字が嵩らざるをえません。したがって、私たちの交通権は公的資金で確保することが求められます。

鉄道は通学・通院・買い物だけでなくビジネス活動・貨物輸送・観光など、日々の暮らしや産業に直結しています。特に北海道にとっては、日本の食料基地としての農水産物の輸送、国際的に人気が急拡大している観光にとって欠かせない移動手段です。さらに、北海道の鉄路が持つ歴史的・文化的価値は、地域の未来を切り開く上でかけがいのない財産です。

このような公共交通の要としての鉄道の廃止は、地域の一層の過疎化を促し、ひいては北海道経済全体の地盤沈下をもたらすことが懸念されます。鉄道線路はひとたび廃止されれば復活はほぼ不可能で、その存廃は慎重に議論されなければなりません。しかし、北海道知事は、鉄路の再生と存続にたいして積極的な姿勢にたっているとはいえません。現在、北海道庁が提示している「指針」は、10、15年後には再び現在と同じ廃線という憂き目をみるようなものとなっています。

私たちは北海道の鉄路のあり方の枠組み(スキーム)を変えたうえでの再生と存続、そして地域づくり、地域の発展のために、昨年10月、鉄道の再生・存続を願う全道の個人・団体が集まって「北海道の鉄道の再生と地域の発展をめざす全道連絡会」を立ち上げました。この目標を実現するために、オール北海道でJR・道・国に対して様々な要請活動を行うことを決めました。

私たちは、具体的には各地域の「鉄道守る会」の住民組織や各種団体、政党、議員、首長などと意見交換および協議を重ねてきました。また「再生・存続」運動を「見える化」するとともに、知事が道民の先頭に立ち、「再生・存続」に向けて行動するように「50万署名」を取りくむことにしました。この署名活動は、この間、精力的に関係団体に協力をお願いした結果、様々な違いを乗り越えて、オール北海道の立場で進めることになり、この3月8日には、道庁記者クラブで「50万署名」行動を発表し、活動を開始しました。

今後の予定としては、5月中旬以降に署名要旨を知事に提出し、同時に鉄路再生に向けて道議会へ誓願書を提出する予定です。こうしたことを踏まえて、5月下旬~6月中旬に署名活動報告を兼ねて「鉄路再生・存続のための道民集会」を考えております。もちろん、政府への要請行動も重要になってきますので、国会議員との協力関係も強めていきます。これら一連の活動の支えになるのが「50万人署名」です。

 

署名活動の要旨は以下の通りで、署名は年齢・住所に関係なくどなたでも可能です。

◎ 鉄道の存続は住民の道理ある願いであり、決して地域エゴではありません。

◎ 存廃を議論する沿線自治体の地域協議会に結論を急がせていますが、JR問題は各路線ごとに決められる性質のものではありません。全道民が参加する開かれた場で時間をかけて議論が尽くされる必要があります。

◎ JR北海道の危機の打開には、国が責任を持って対処することがもとめられています。

JR北海道や道庁、国は早急に結論を出そうと動きを早めてきています。みなさんの力強いご支援が局面を前進的な方向に動かしていくと確信しています。

北の鉄路の再生・存続に向けてのご協力、よろしくお願い致します。

 

JR北海道研究会のメンバーは以下の通りです。

  • 浅川雅己(札幌学院大学准教授)
  • 奥田仁(北海学園大学名誉教授)
  • 唐渡興宣(北海道大学名誉教授)
  • 川村雅則(北海学園大学教授)
  • 小坂直人(北海学園大学教授)
  • 小田清(北海学園大学名誉教授)
  • 高田純(札幌大学名誉教授)
  • 武田泉(北海道教育大学准教授)
  • 美馬孝人(北海学園大学名誉教授)
  • 宮田和保(北海道教育大学名誉教授・代表)